高速道路の「複数台玉突き事故」…中間にいた車の法的責任はどうなる?

12月21日、阪神高速で2トントラックがワンボックスカーに追突する事故が発生しました。同じ車線にいた6台の車が玉突きで次々にぶつかり、6人が怪我で病院に運ばれました。

この時期は年越しに向けて仕事が忙しくなることや、年末の休みを故郷で過ごそうとする人で交通量が増加するため、事故が起こりやすくなり、玉突き事故に発展することも少なくありません。

そのような場合、追突した自動車の運転手が法的責任を負うものと思われますが、中間にいた車はどうなるのでしょうか?

銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士に見解を伺いました。

Q.複数台が絡んだ玉突き事故…中間にいた車の法的責任はどうなる?

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A.ケース・バイ・ケース。事故の発生状況によって責任が発生することもある。

「中間にいた車が先頭車との車間距離をちゃんととっていなかったということであれば、先頭車との関係で加害者となることがあります。その場合追突車との過失割合の話になります。

中間車が前方不注視などで急ブレーキをかけたということであれば、先頭車との関係でも追突車との関係でも加害者になりえます。

特にそのような事情がなければ、中間車は単なる巻き添えを食っただけの話ですから、法的な責任は発生しません」(小野弁護士)

玉突き事故による中間車の法的責任は、その事故の状況によって変化するようです。場合によっては責任を問われることもあるということは、留意しておいたほうがいいかもしれません。

内閣府が平成27年度に発表した交通安全白書によると、12月はもっとも交通事故の多い月となっており、非常に危険な季節。とくに普段ハンドルを握らない人がドライバーとして道路に出る年末年始は、危険を感じることが多くなります。

時間と心に余裕を持ち、安全運転で目的地に向かいましょう。

 

*取材協力弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

*参考:内閣府「交通安全白書

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