騒音をまき散らす「広告トラック」法的に問題はあるのか?

大音量をまき散らしながら走行する広告トラックや、軍歌などを流しながら走る街宣車。繁華街や大通り沿いでは見慣れた光景です。

広告宣伝車やアドトラックなどとも呼ばれ、ここ数年で大幅に増えた広告方法の一つです。

しかし、その音量はかなり大きく、不快に思う人も多いと思います。もちろん騒音に関してはしっかりと「騒音規制法」という法律で規制されています。では、なぜ大音量で音楽などを流す車両は認められているのでしょうか。

右翼

●表現の自由と騒音規制法

トラックのエンジン音やタイヤ音がうるさい場合は、騒音規制法(そうおんきせいほう)という法律で規制されています。高度経済成長時代に、自動車が爆発的に増え、その騒音が問題となりましたが、今は、自動車の性能も良くなり、この法律が適用される事例は減っています。

今現在問題になるのは、右翼団体が拡声器を使って自分たちの主張をしたり、あるいは、広告トラックが公告を大きな音で流すような事例です。このような拡声器を使った騒音に対処する一般的な法律はありませんが、多くの地方自治体が拡声機暴騒音規制条例(かくせいきぼうそうおんきせいじょうれい)を制定しています。

ただ、政治的な主張をすることは、憲法が認めた表現の自由の一種であり、また、広告宣伝をすることは憲法が認めた営業の自由の一種であり、簡単に規制することは出来ません。

難しい議論は省きますが、表現の自由や営業の自由と言っても無制限に認められるものではなく、一般の市民が平穏に暮らす権利を侵害しても良いものでもありません。平穏に暮らす権利との調整が必要になります。

 

●85デシベル以下なら許可をする自治体が多い

多くの地方自治体では、85デシベルを基準にして、それ以下であれば、拡声器を使った政治的な主張や公告宣伝を許しているようです。85デシベルを超える騒音は規制されるということです。

繁華街などでは、85デシベル程度の騒音は我慢できるでしょうが、住宅街などではうるさすぎるような気もします。各自治体の規制内容については、各自治体のホームページなどで参照できます。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

*画像: Sean Pavone

星 正秀 ほしまさひで

星法律事務所

東京都中央区銀座2−8−5石川ビル8階

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