テレ朝「みんながカメラマン」の利用規約が酷過ぎると炎上…内容の問題点を弁護士が解説

テレビ朝日が開始した動画投稿サービス「みんながカメラマン」の利用規約が話題になっています。

話題のポイントは、投稿された動画を無償で、かつ、自由に編集・改変することができるとしつつ、何らかの損害が生じた場合でも、一切の責任を負わず、投稿者の責任と費用において解決することとされているという点です。

つまり、自由に編集した結果として他人に損害を及ぼしても、その責任はテレビ朝日は負わず、投稿者が責任を負うという内容です。

現在、批判を受けて利用規約を改定中のようですが、このような規約にはどのような問題があるのか検討してみましょう。 みんながカメラマン

■利用規約とはどういうものか

ウェブ上のサービスに限りませんが、サービスを利用するためには利用規約に同意する必要がある、というものは多くあります。

このような利用規約は、約款の一つといえます。

約款というのは、不特定多数の利用者との契約を処理するため、あらかじめ定型的に定められた契約条項を指します。

そこに書かれていることが契約の内容になっているわけなので、約款(利用規約)に同意すれば、その約款に基づいた権利義務が発生する、ということに原則としてはなります。

 

■消費者契約法による規制がある

利用規約に同意してサービスを利用していれば、なにか不利な条項があっても、それに従う必要があるというのが原則にはなります。

しかし、消費者契約法10条は、消費者の利益を一方的に害する条項は無効になるとしています。約款(利用規約)についても消費者契約法は適用されるため、あまりに一方的な条項は無効になる可能性があります。

今回のケースでいえば、無償利用や一定の改変(たとえば、顔にぼかしを入れるなど)は一方的な条項とはいえないとは思いますが、動画を利用したにもかかわらずテレビ朝日が一切の責任を負わず、投稿者の責任と費用において解決するというのは、一方的な条項といえる可能性があります。

そのため、この点は無効になる可能性があると思います。

いずれにしても、現在、改訂作業中とのことなので、今後どのようになるかを注目するべきでしょう。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

*画像は「みんながカメラマン」のスクリーンショット

清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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